1.試験について
日本語能力試験はどんな試験ですか。
日本語能力試験は、日本国内及び海外で、原則として日本語を母語としない人を対象に、日本語能力を測定し、認定することを目的としています。
どんな人が受験できますか。
日本語を母語としない人なら、だれでも受験できます。
小学生、中学生でも受験できますか。
はい、できます。年齢制限はありません。
試験は年に何回行われますか。
7月と12月の2回です。ただし海外では、7月の試験は行わないで、12月の試験だけを行う都市があります。受験したい都市で7月の試験を行うかどうかは「海外の実施都市・実施機関一覧」を見てください。
2010年の試験の日はいつですか。
2010年は、第1回が7月4日(日)、第2回が12月5日(日)です。(ただし、海外では7月の試験を行わない都市があります。受験したい都市で7月の試験を行うかどうかは「海外の実施都市・実施機関一覧」を見てください。)
なお、2010年第1回(7月)試験では、N1、N2、N3の試験を行います。第2回(12月)試験からは、N1からN5までのすべてのレベルの試験を行います。
全部ではなく、一部の試験科目だけを申し込むことができますか。
いいえ、できません。
申し込みのとき、試験を受けたい国・地域にいませんが、どうしたらいいですか。
必ず受験する国・地域の実施機関に申し込みをしてください。受験する国・地域によって申し込みの方法がちがいます。現地の実施機関に問い合わせてください。自分で申し込みができなかったら、受験したい国・地域の友だちや知っている人にたのんでください。
身体等に障害がありますが、受験できますか。
はい、できます。身体等に障害がある人のために、受験特別措置を行います。受験をする国・地域の実施機関に問い合わせてください。受験特別措置を希望する人は、申し込みのとき、願書といっしょに「受験特別措置申請書」を出す必要があります。
2.レベルについて
どの受験者もみんな同じ問題を受けて、その結果からレベルが判定されるのですか。
いいえ。レベル(N1〜N5)によって試験問題がちがいます。その人の日本語能力をできるだけ正確に測るために、レベルごとにちがう問題が用意されています。自分に合ったレベルを選んで受験してください。
旧試験は、今まで何時間ぐらい日本語を勉強したか・どのぐらいの数の漢字や単語を勉強したかによって、レベルを説明していました。しかし、新試験のレベルの説明は、そうではありません。どうしてですか。
新試験は、①日本語の文字や語彙、文法についてどのぐらい知っているかだけではなく、②その知識を実際のコミュニケーションで使えるかも大切にしています。①と②を合わせた、総合的な日本語の能力(=課題遂行のための言語コミュニケーション能力)を測ります。それで、レベルの説明も変わりました。新試験の説明には、それぞれのレベルが、どのような場面で・どのようなものを・どのように「聞く」「読む」ことができるかが書かれています。説明の中にはありませんが、「聞く」「読む」ための日本語の知識も、もちろん必要です。
旧試験で3級に合格しました。新試験ではどのレベルを受けたらいいですか。
旧試験の3級は、新試験のN4とほぼ同じレベルです。ですから、次のN3をおすすめします。N3は、新しくできたレベルで、旧試験の級で考えると、2級と3級の間です。もう少し難しいレベルに挑戦したかったら、N2もいいと思います。『新しい「日本語能力試験」問題例集』の問題の例から、どちらのレベルが合っているかを見てください。
新しくできたN3は、どんなレベルですか。
旧試験の級で考えると、N3は2級と3級の間のレベルです。これまで、旧試験の3級に合格した人から「勉強しても、なかなか2級に合格できません」という声が多くありました。このような状況に対応するため、旧試験の2級と3級の間に新たにN3を設けました。
「認定の目安」を見てください。N1とN2は「幅広い場面での日本語」を聞いたり読んだりすることができるレベルです。N4とN5は教室内で学ぶ「基本的な日本語」を聞いたり読んだりすることができるレベルです。N3は、このN1・N2とN4・N5の間にあって、橋のようにつないでいる「橋渡し」のレベルです。
新試験のN4は、旧試験の3級とほぼ同じレベルだと聞きました。何が・どのように同じですか。
試験の難しさと合格のしやすさ(=合格ライン)が、だいたい同じということです。旧試験の3級に合格できる実力がある人は、新試験のN4でも合格できると考えられます。ただし、試験科目や得点区分は同じではありませんので注意してください。
新試験のN1は、旧試験の1級よりも少し高いレベルだと聞きました。ということは、旧試験の1級より合格しにくくなるのですか。
いいえ、試験の難しさと合格のしやすさ(=合格ライン)は、新試験のN1と旧試験の1級は、だいたい同じです。旧試験の1級に合格できる実力がある人は、新試験のN1でも合格できると考えられます。
3.試験科目と試験時間について
新試験の試験科目には何がありますか。
新試験は、「課題遂行のための言語コミュニケーション能力」を測ります。この能力は、①日本語の文字や語彙、文法についてどのぐらい知っているかと、②その知識を実際のコミュニケーションで使えるかから成り立っています。新試験では、①を「言語知識(文字・語彙・文法)」、②を「読解」と「聴解」という試験科目によって測ります。
新試験には、作文や会話の試験がありますか。
いいえ、今のところ、どちらもありません。
N1とN2の試験科目「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」が、N3、N4、N5で「言語知識(文字・語彙)」と「言語知識(文法)・読解」の二つに分かれているのはどうしてですか。
N3、N4、N5 は、試験に出せる語彙や文法の項目が少ないです。それで、N1 とN2 のように「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」と一つの試験科目にまとめると、いくつかの問題がほかの問題のヒントになることがあります。このことを避けるために、N3、N4、N5では「言語知識(文字・語彙)」と「言語知識(文法)・読解」の二つに試験科目が分かれています。
聴解の試験時間が長いと思います。たとえば、旧試験の1級で聴解は45分でしたが、新試験のN1では60分になっています。
得点の割合と関係があります。旧試験では、全部の級で、試験科目別の得点が、「文字・語彙」:「聴解」:「読解・文法」=100:100:200でした。「聴解」は全体の4分の1でした。新試験のN1で、得点区分別の得点は、「言語知識(文字・語彙・文法)」:「読解」:「聴解」=60:60:60です。「聴解」は全体の3分の1です。得点全体の中で、聴解の得点の割合が増えました。それで、試験問題が旧試験よりも増えて、試験時間が長くなりました。
受験をする人にとって試験時間が長すぎないかどうかも調べました。その結果、問題はありませんでした。
5.試験のための勉強について
これまでの勉強のしかたでは合格できませんか。勉強のしかたを変えなければなりませんか。
今までの勉強のしかたでもだいじょうぶです。ただし、新試験は、日本語についての知識だけではなく、その知識を実際のコミュニケーションで使えるかも大切にしています。新しい問題形式もありますので、『新しい「日本語能力試験」問題例集』を使って、新しい問題形式に慣れてください。この問題例集には、すべてのレベルのすべての問題形式が出ていますので、試験の準備に役立ちます。
旧試験では、試験に出る漢字や語彙が載っている『出題基準』が出版されていました。新試験でも、同じようなリストが公開されますか。
新試験は、日本語についての知識だけではなく、その知識を実際のコミュニケーションで使えるかも大切にしています。日本語学習の最終目標は語彙や漢字、文法項目の暗記ではなく、実際にこれらをコミュニケーションのために使えることです。それで、語彙や漢字、文法のリストを公開しません。
『出題基準』に代わるものとして、『新しい「日本語能力試験」問題例集』があります。すべてのレベルのすべての問題形式が出ていますので、試験の準備に役立ちます。
そのほか、旧試験の級と新試験のレベルは対応しているので、旧試験の『出題基準』や、旧試験の試験問題などは参考になります。
新試験が始まって何回か行われたら、過去に出された試験問題がウェブサイトなどで見られるようになりますか。
過去の試験問題はそのまま公開しません。しかし、『新しい「日本語能力試験」問題例集』で、すべてのレベルのすべての問題形式の例を公開しました。2012年にはこの問題例集に、2010年と2011年の試験問題を加えて、試験1回分と同じ数の問題をそろえて、新しい問題例集を発行する予定です。そのあとは、定期的に実際に出た問題をまとめた問題集を発行する予定です。
6.得点と合否判定について
試験の結果を受け取るとき、N1、N2、N3では得点区分が「言語知識(文字・語彙・文法)」と「読解」に分かれていますが、N4、N5ではひとつにまとめて「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」になっています。どうしてですか。
日本語学習の基礎段階にあるN4、N5では、「言語知識(文字・語彙・文法)」と「読解」の能力で重なる部分が多いです。それで、「読解」だけの得点を出すよりも、「言語知識(文字・語彙・文法)」と合わせて得点を出すことが合っているからです。
新試験では、どうして得点の出しかたを変えたのですか。
受験した人の日本語の能力を、より正確に表すためです。
どんなに注意して試験問題を作っても、試験問題の難しさは、試験の回によって少しずつ変わって、前よりも難しくなったり易しくなったりします。新試験の得点の出しかたでは、試験問題が難しかったかどうかには関係なく、いつの回の試験でも、同じ能力であれば同じ得点になります。同じレベルの試験の得点は、いつも同じ尺度で計算します。それで、前の試験の結果と比べて、能力が伸びたかどうか、どのぐらい伸びたかがわかります。次の試験の目標も立てやすくなります。
新試験の得点と旧試験の得点を比べることができますか。
いいえ。新試験では試験科目や得点の出し方などが変わりますので、旧試験の得点と比べることはできません。
合格・不合格はどうやって決まりますか。
合格するためには、①総合得点が合格に必要な点(=合格点)以上であること、②各得点区分の得点が、区分ごとに設けられた合格に必要な点(=基準点)以上であること、の2つが必要です。
どうして、合格するために、①総合得点が合格に必要な点(=合格点)以上であること、②各得点区分の得点が、区分ごとに設けられた合格に必要な点(=基準点)以上であること、の2つが必要ですか。
バランスよく総合的な日本語の力をつけてほしいと考えているからです。
合格に必要な得点は何点ですか。
合格するためには、①総合得点が合格に必要な点(=合格点)以上
であること、②
各得点区分の得点が、区分ごとに設けられた合格に必要な点(=基準点)以上であること、の二つが必要です。一つでも基準点に達していない得点区分がある場合は、総合得点がどんなに高くても不合格になります。
N1、N2、N3レベルの合格点と基準点は下の表のとおりです。
| レベル |
総合得点 |
言語知識
(文字・語彙・文法)
|
読解 |
聴解 |
| 得点の範囲 |
合格点 |
得点の範囲 |
基準点 |
得点の範囲 |
基準点 |
得点の範囲 |
基準点 |
| N1 |
0~180点 |
100点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
| N2 |
0~180点 |
90点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
| N3 |
0~180点 |
95点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
N4、N5レベルの合格点と基準点は、2010年第2回(12月)試験の結果通知の時期、つまり、2011年3月ごろに発表します。
受験しない試験科目があったら、どうなりますか。
受験しない試験科目があると、合否判定は不合格となります。合否結果通知書は届きますが、受験した科目も含めて全ての科目の点数が出ません。
ある得点区分が基準点に届かなくて不合格になったら、その次の試験で、その得点区分に対応している試験科目だけを受験して、基準点以上の点をとれば合格になりますか。
いいえ。合格・不合格の判定は、1回の試験ごとに、すべての試験科目を受験した人を対象に行います。ですから、基準点を上回らなかった得点区分に対応している試験科目だけを次の試験で受験しても、合格・不合格の判定ができません。次の試験ですべての試験科目を受験して、①総合得点が合格に必要な点以上であること、②各得点区分の得点が合格に必要な点(=基準点)以上であること、の2つを満たせば合格です。
7.試験の結果について(合否結果通知書と日本語能力認定書)
試験の結果はいつ、どのようにもらえますか。
受験者全員に、合否結果通知書を郵便で送ります。送付時期は、日本国内の場合は、第1回(7月)試験の結果は9月上旬、第2回(12月)試験の結果は2月中旬を予定しています。海外の場合は、受験した都市の実施機関を通じて送りますので、第1回(7月)試験の結果は9月中旬、第2回(12月)試験の結果は3月上旬に受験者に届く予定です。その月が終わるころになっても届かない場合は、受験した都市の実施機関に問い合わせてください。
電話やメールで試験の結果を教えてもらえますか。
できません。
合否結果通知書や日本語能力認定書に誤りがあります。
合否結果通知書や日本語能力認定書について、名前や生年月日に誤りがあった場合の再発行の手続きは、受験した国・地域によって異なります。日本国内で受けた人は「日本語能力試験受付センター」に、海外で受験した人は、受験した都市の実施機関か国際交流基金に問い合わせてください。
- ■日本
-
- 日本語能力試験受付センター
- 受付時間 月〜金曜日 10:00〜17:00
- 電話 03-5220-3431 FAX 03-6212-6565
- ■海外
- 国際交流基金または受験した都市の実施機関に申し込んでください。
国際交流基金に申し込む場合
以下の書類を国際交流基金に郵便で送ってください。
再発行申請書+今持っている合否結果通知書か日本語能力認定書の原本+身分証明書(パスポートなど)のコピー
+委任状(代理人が申請する場合のみ必要)
- 送り先:
- 国際交流基金日本語試験センター
〒160-0004 東京都新宿区四谷 1-21
新試験の認定に有効期限はありますか。
ありません。ただし、試験の結果を参考にする会社や学校が期限を設けている場合があります。
新試験が始まったら、旧試験の認定は無効になりますか。
いいえ、無効になりません。
合否結果通知書や日本語能力認定書をなくしてしまったのですが。
再発行はできません。
新試験の結果は、日本の大学で入学試験の参考資料として使われますか。
日本の大学では、原則として独立行政法人日本学生支援機構が実施する「日本留学試験」の結果を参考にしています。「日本留学試験」を実施していない国・地域からの留学生のために、日本語能力試験の結果を参考にする場合もあります。くわしくは志望校に直接問い合わせてください。