国際交流基金と日本国際教育支援協会が運営する日本語能力試験公式ウェブサイトです。
日本語能力試験とは
日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト-わたしが日本語でできること-
1. 「日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト-わたしが日本語でできること-」とは
この度、従来の「日本語能力試験Can-do自己評価リスト」をより分かりやすいものに改訂し、「日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト-わたしが日本語でできること-」として公開しました。
「JLPTの各レベルの合格者は何ができるのか」ということを、よりイメージしやすくするために、レベル別の代表的なCan-do(Can-do Stetementsの略で、外国語を使って何がどれだけできるかを「~できる」という形式で示した文)を提示することとしました。
このCan-doリストは、「日本語能力試験の各レベルの合格者が、日本語でどんなことができると考えているか」を、受験者の自己評価調査の結果に基づいてまとめたものです。
したがって、日本語能力試験のシラバス(出題基準)ではありません。また、合格者の日本語能力を保証するものではありません。日本語能力試験が測る日本語能力や出題基準については、「認定の目安」や「問題例」、『新しい「日本語能力試験」ガイドブック』第2部「試験の内容」 等を参照してください。
このリストは、受験者やまわりの方々が「このレベルの合格者は日本語を使ってどんなことができそうか」というイメージを作るための参考情報としてご活用いただくことができます。
これまで掲載していた「日本語能力試験Can-do自己評価リスト」の詳細はこちらをご覧ください。
2. 改定版Can-doリスト「日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト-わたしが日本語でできること-」を作るにあたって
レベル別の代表的なCan-doを提示するために、「日本語能力試験Can-do自己評価調査レポート≪最終報告≫」(2012)と同じCan-do当時64,842人の協力を得たもの)の再分析を行いました。
①「JLPTレベルの人は何ができるの?」というご質問が多く、その問いに応えるべく、従前の「技能別のワンスケールにおける、出来る度合いを濃淡で示す」提示から「レベル別・技能別」のCan-doの提示に変更しました。
②レベル別・技能別Can-doのリストを、割り当て基準と共に明示しました。
③受験者の自己評価であることを明記しました。
④Can-doは2012年10月に発表したものを再利用しています。このCan-doは、CEFR-DIALANG、ACTFL-OPI、TOEFL等を参考に作成され、数次の予備調査を重ねたうえで、JLPTの各レベルの特徴を示す反応が出やすいものに修正されているため、これをそのまま利用しました。
⑤回答データは新たに採取せず、2010~11年に採取したデータ(64,842人、表1参照)を再分析しています。
調査時期 |
---|
2010年9月~2011年12月 |
調査実施地 |
日本、韓国、中国、ベトナム、マレーシア、インド、オーストラリア、アメリカ、カナダ |
調査対象者数 |
64,842人(2010年および2011年のJLPT受験者数は約120万人) |
調査対象者中の合格者数 (実施地別合格者数割合) |
33,979人(日本10.7%、韓国33.0%、中国40.3%、ベトナム11.1%、マレーシア1.4%、インド2.3%、オーストラリア0.4%、アメリカ0.2%、カナダ0.7%) |
調査実施方法 |
質問紙によるアンケート調査 (受験会場および受験者の学習機関での筆記調査、オンライン調査) |
出典:日本語能力試験Can-do自己評価調査レポート≪最終報告≫(2012年10月発表)
⑥新たに専門家による主観判定を導入することによって、専門家による評価の観点を盛り込み、現時点でのレベル感に更新することを試みています。
3. 本リスト作成におけるCan-doのレベル割当基準
各レベル毎に以下を主な基準としています。
① 各レベルごとに合格者の75%以上が3.何とかできる、4.できると答えたCan-doを割り当てる(複数レベルが該当する場合は最も下のレベルに割り当てる)。合格者データによる判定をレベル割当の基本とする。
② 複数の日本語教育専門家(国内外で教授経験を有し、試験作成の経験がありJLPTのレベル感にも詳しい)が主観により判定する。
③ ①の合格者データによる割当レベルと②の専門家の主観による割当レベルが一致した場合に、当該レベルのCan-doとして採用する。
上記手順で割り当てを行った上、1~3項目を目安に採用しています。
なお、他試験等Can-do作成の事例も参考にしています。
参考文献:
[1] The Japan Foundation, and Japan Educational Exchanges and Services (2012). 日本語能力試験Can-do自己評価調査レポート≪最終報告≫.
[2] 公益社団法人日本語教育学会(2018). BJT ビジネス日本語能力テストに関するCan-do statements 調査研究事業報告書.
[3] 公益財団法人日本漢字能力検定協会(年代不明). BJT ビジネス日本語能力テスト|レベル評価が示す能力の実態
https://www.kanken.or.jp/bjt/about/evaluation.html (2019年1月15日).
[4] Powers, D. E., Kim, H. H., & Weng, V. Z. (2008). The Redesigned TOEIC(Listening and Reading)Test: Relations to Test-Taker Perceptions of Proficiency in English.
[5] Educational Testing Service (2007). TOEIC Bridge Can-Do Guide Executive Summary: Relating Scores on the TOEIC Bridge Test to Student Perceptions of Proficiency in English.
[6] 一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(2011). ETS TOEIC|TOEIC L&R スコア別できること一覧
https://www.iibc-global.org/toeic/special/target/list_reading.html (2019年1 月15日).
[7] 公益財団法人日本英語検定協会(年代不明). 英検|英検Can-doリスト一覧
http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/cando/list.html (2019年1月15日).
[8] The Eiken Foundation of Japan (年代不明). 英検Can-doリスト
http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/cando/pdf/can-do_1kyu.pdf (2019年1月15日).
4. リストの利用について
「日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト-わたしが日本語でできること-」は、次のように使っていただけます。
学習者の方は、自分ができることとできないことを確認して、今後の学習の目標を持つことができます。また、自分が合格したレベルについて、他の人に説明するときにも使えます。
日本語教育関係者の方は、各レベルに合格している学習者が自分の日本語能力をどうとらえているかをイメージすることができ、教授活動を組み立てる際の参考にすることができます。
学習者のまわりの方は、その学習者が合格しているレベルでは何ができそうかをイメージして、一緒に仕事をしたり、身近で生活をしたりする場合の参考にすることができます。
5. 日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト
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6. 日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト 他の言語版
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