課題遂行のための言語コミュニケーション能力を測ります
日本語能力試験では、①日本語の文字や語彙、文法についてどのぐらい知っているか、ということだけでなく、②その知識を利用してコミュニケーション上の課題を遂行できるか、ということも大切だと考えています。私たちが生活の中で行っている様々な「課題」のうち、言語を必要とするものを遂行するためには、言語知識だけでなく、それを実際に利用する力も必要だからです。そこで、この試験では、①を測るための「言語知識」、②を測るための「読解」、「聴解」という3つの要素により、総合的に日本語のコミュニケーション能力を測っています。
大規模試験のため、解答は選択枝によるマークシート方式で行います。話したり書いたりする能力を直接測る試験科目はありません。
5段階のレベルから、自分に合ったレベルが選べます
日本語能力試験には、5段階(N1、N2、N3、N4、N5)のレベルがあります。できるだけきめ細かく日本語能力を測るために、試験問題はレベルごとに作られています。
N4とN5では、主に教室内で学ぶ基本的な日本語がどのくらい理解できているかを測ります。N1とN2では、現実の生活の幅広い場面で使われる日本語がどのくらい理解できるかを測ります。N3は、N4、N5からN1、N2への橋渡しのレベルです。
各レベルの詳しい説明は、「認定の目安」を見てください。
尺度得点で日本語能力をより正確に測ります
異なる時期に実施される試験では、どんなに慎重に問題を作成しても、試験の難易度が毎回多少変動します。そのため、試験の得点を「素点」(何問正解したかを計算する得点)で出すと、試験が難しかったときと易しかったときとでは、同じ能力でも違う得点になることがあります。そこで、日本語能力試験の得点は、素点ではなく、「尺度得点」を導入しています。尺度得点は「等化」という方法を用いた、いつも同じ尺度(ものさし)で測れるような得点です。
尺度得点を利用することで、試験を受けたときの日本語能力をより正確に、公平に、得点に表すことができます。尺度得点についての詳しい説明はこちらを見てください。
「日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト」を提供しています
試験の得点や合否判定だけでは、実際の生活で日本語を使って具体的に何ができるのかがわかりません。そこで、日本語能力試験では、試験の結果を解釈するための参考情報として「日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト」を提供しています。
2010年と2011年の日本語能力試験の受験者、約65,000人に対して、「日本語でどんなことができると考えているか」についてのアンケート調査を行いました。そして、その結果を統計的に分析して、リストを作成しました。
このリストは、受験者やまわりの方々が「このレベルの合格者は日本語を使ってどんなことができそうか」というイメージを作るための参考情報としてご活用いただくことができます。
「日本語能力試験 合格者と専門家の評価によるレベル別Can-doリスト」について、詳しくはこちらを見てください。