1.試験について
日本語能力試験はどんな試験ですか。
日本語能力試験は、原則として日本語を母語としない人を対象に、日本国内及び海外で、日本語能力を測定し、認定することを目的としています。
どんな人が受験できますか。
母語が日本語でない人なら、だれでも受験できます。日本国籍を持っているかどうかは関係がありません。年齢制限もありません。
身体等に障害がある人の受験はできますか。
はい、できます。身体等に障害がある人のために、受験上の配慮を行います。受験地の実施機関に問い合わせてください。受験上の配慮を希望する人は、申し込みのとき、願書といっしょに「受験上の配慮申請書」を出す必要があります。
試験は年に何回行われますか。
7月と12月の2回です。ただし海外では、7月の試験だけ行う都市や、12月の試験だけ行う都市があります。受験したい都市でいつ試験を行うかについては「海外の実施都市・実施機関一覧」を見てください。
2024年の試験の日はいつですか。
2024年は、第1回が7月7日(日)、第2回が12月1日(日)です。
(ただし海外では、7月の試験だけ行う都市や、12月の試験だけ行う都市があります。受験したい都市でいつ試験を行うかについては「海外の実施都市・実施機関一覧」を見てください。)
全部ではなく、一部の試験科目だけを申し込むことができますか。
いいえ、できません。
申し込みのとき、試験を受けたい国・地域にいませんが、どうしたらいいですか。
必ず受験地の実施機関に申し込みをしてください。受験地によって申し込みの方法がちがいます。受験地の実施機関に問い合わせてください。自分で申し込みができなかったら、受験地の友だちや知っている人にたのんでください。
2.レベルについて
どの受験者もみんな同じ問題を受けて、その結果からレベルが判定されるのですか。
いいえ。レベル(N1〜N5)によって試験問題がちがいます。その人の日本語能力をできるだけ正確に測るために、レベルごとにちがう問題が用意されています。自分に合ったレベルを選んで受験してください。
受験するレベルはどのように決めればいいですか。
「認定の目安」を参考にしてください。また、「問題例」で実際に試験に出るのと同じ形式の問題を解きながら、具体的にレベルを確かめることもできます。
日本語能力試験は、2010年に改定されたとき、問題形式が変更されたり新しい問題形式が追加されたりしましたが、今の試験のレベルと旧試験の級とはどのように合わせたのですか。
今の試験では、統計分析の結果を踏まえて、合否判定水準(合格ライン)が旧試験とほぼ同じになるように設定しました。これにより、旧試験の1級、2級、3級、4級に合格できる日本語能力を持った受験者は、それぞれ今の試験のN1、N2、N4、N5に合格できる日本語能力を持っていると解釈できます。2010年に新しくできたN3については、旧試験の2級と3級の合否判定水準における日本語能力レベルを統計学的に分析し、この間にN3の合格点が収まるように設定しました。
3.試験科目と試験時間、試験問題について
日本語能力試験には、会話や作文の試験がありますか。
いいえ、今のところ、どちらもありません。
N4とN5の「言語知識(文字・語彙)」・「言語知識(文法)・読解」、N1の「聴解」の試験問題の数が少なくなり、試験時間が短くなりました。問題数が少なくなって試験時間が短くなると、試験問題の難しさや問題内容が変わりますか。
試験問題の難しさや問題内容は変わりません。
新しい試験時間は、「試験科目と試験時間」のページを見てください。
N4とN5の「言語知識(文字・語彙)」・「言語知識(文法)・読解」、N1の「聴解」の試験問題の数が少なくなり、試験時間が短くなりました。試験結果は、これまでと同じように信頼できますか。
試験結果はこれまでと同じように信頼できるものです。
一般に、問題数が多い方が試験結果を信頼できると言われます。
2020年12月の変更ではN4とN5の「言語知識(文字・語彙)」と「言語知識(文法)・読解」で、2022年12月の変更ではN1の「聴解」で問題数が減っていますが、2010年に試験を改定して以来の試験データを研究することで、より少ない問題数であっても、試験結果は引き続き信頼できるものとなっています。
N1とN2の試験科目「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」が、N3、N4、N5で「言語知識(文字・語彙)」と「言語知識(文法)・読解」の2つに分かれているのはどうしてですか。
N3、N4、N5 は、試験に出せる語彙や文法の項目が少ないです。それで、N1 とN2 のように「言語知識(文字・語彙・文法)・読解」と1つの試験科目にまとめると、いくつかの問題がほかの問題のヒントになることがあります。このことを避けるために、N3、N4、N5では「言語知識(文字・語彙)」と「言語知識(文法)・読解」の2つに試験科目が分かれています。
日本語能力試験の解答方法は、すべてマークシートですか。
はい、多枝選択によるマークシート方式です。選択枝の数はほとんど4つですが、「聴解」では3つの問題もあります。
N1とN2の「聴解」の最後の問題で、問題文に、「この問題には練習はありません」と書かれています。これはどういう意味ですか。
「聴解」のほかの問題には、受験者に問題形式や答え方を理解してもらうための例題がありますが、最後の問題にはそのような例題の練習がない、ということです。
日本語能力試験では、日本に関する文化的な知識が必要な問題が出題されますか。
日本に関する文化的な知識そのものを問う問題はありません。文化的な内容が問題に含まれる場合もありますが、その知識がなければ解答できないような問題は出題していません。
試験の問題用紙は、試験終了後、持ち帰ることができますか。
試験の問題用紙を持ち帰ることはできません。問題用紙を持ち帰ると失格になります。
日本語能力試験の試験問題の著作権は、だれが所有しますか。
試験問題の著作権は、主催者の国際交流基金と日本国際教育支援協会が所有します。試験問題を無断で転載・複写・複製することは法律で固く禁じられております。
また、試験問題の一部には、第三者の著作物が含まれています。当該第三者の著作物が含まれる部分を使用される場合は、別途著作権者の承諾が必要となります。
4.試験のための勉強について
過去に出題された試験問題は出版されますか。
毎回の試験をそのまま問題集として出版することはしませんが、2010年に改定した日本語能力試験についてこれまでに2集の『日本語能力試験公式問題集』が発行されています。この『日本語能力試験公式問題集』(2012年発行)と『日本語能力試験公式問題集 第二集』(2018年発行)には、2010年の改定後実際に出題した試験問題の中から、それぞれ各レベルとも試験1回分に相当する数の問題が掲載されています。今後も一定期間ごとに、過去に出題した試験問題を使って問題集を発行する予定です。発行時期などは、日本語能力試験公式ウェブサイトなどで発表します。
2010年に試験が改定されてから、『出題基準』が非公開になったのはなぜですか。
日本語学習の最終目標は、語彙や漢字、文法項目を暗記するだけではなく、それらをコミュニケーションの手段として実際に利用できるようになることだと考えています。日本語能力試験では、その考え方から、「日本語の文字・語彙・文法といった言語知識」と共に、「その言語知識を利用して、コミュニケーション上の課題を遂行する能力」を測っています。そのため、語彙や漢字、文法項目のリストが掲載された『出題基準』の公開は必ずしも適切ではないと判断しました。
『出題基準』の代わりの情報として、「認定の目安」や「試験問題の構成」があります。公開している「問題例」も参考にしてください。
5.得点と合否判定について
試験の結果を受け取ると、N4、N5では、試験科目が別々だった「言語知識(文字・語彙)」と「言語知識(文法)・読解」が、1つの得点区分にまとまっています。どうしてですか。
日本語学習の基礎段階にあるN4、N5では、「言語知識」と「読解」の能力で重なる部分、未分化な部分が多いです。それで、「言語知識」と「読解」の得点を別々に出すよりも、合わせて出す方が学習段階の特徴に合っていると考えたためです。
それぞれの得点区分の中で、各問題の配点はどのようになっていますか。
試験の中には、各問題の配点を決めておき、正解した問題の配点を合計して、得点を出す方式もありますが、日本語能力試験は、「項目応答理論」に基づいた尺度得点方式なので、問題ごとの配点を合計するという方法ではありません。尺度得点についてのくわしい説明はこちらを見てください。
試験の結果をもらったら、思っていた得点と違ったのですが、確かめてもらえますか。
一人一人の得点は、機械処理だけではなく、専門家による厳正な点検をして出しています。受験案内に明記されているように、個別の成績に関する問い合わせには、一切答えられません。
なお、日本語能力試験の得点は「尺度得点」という得点です。「尺度得点」は、受験者一人一人の「解答のパターン」をもとに出す得点です。「正解した問題の数」から出される得点ではありません。そのため、自分で思っていた得点とは違う結果になることもあります。尺度得点についてのくわしい説明はこちらを見てください。
結果をもらい、得点はわかりましたが、自分が受験者全体の中でどのくらいの位置だったのか知りたいです。
「過去の試験のデータ」の各回の試験のくわしい資料に、「尺度得点累積分布図」というグラフが載っています。結果に書かれている尺度得点とこのグラフを使うと、自分と同じ試験を受けた受験者全体の中で、自分がどの位置にいるかを知ることができます。
※2016年第1回(7月)試験より、海外で受験した合格者(聴解免除を除く)の成績証明書に、その試験を含む過去6回の全受験者の中での「パーセンタイル順位」(あなたの得点に満たない受験者は全体の何パーセントを占めているか)を表示します。
今の試験の得点と、2009年までの試験(旧試験)の得点を比べることができますか。
いいえ。試験科目や得点の出し方などが変わりましたので、今の試験と旧試験の得点を比べることはできません。
合格・不合格はどうやって決まりますか。合格に必要な得点は何点ですか。
すべての試験科目を受験して、①総合得点が合格に必要な点(=合格点)以上で、②すべての得点区分の得点が、区分ごとに設けられた合格に必要な点(=基準点)以上なら合格です。得点区分の得点が1つでも基準点に達していない場合は、総合得点がどんなに高くても不合格になります。
N1~N3とN4、N5は、得点区分が異なります。各レベルの合格点と基準点は下の表のとおりです。
レベル |
総合得点 |
得点区分別得点 |
言語知識
(文字・語彙・文法) |
読解 |
聴解 |
得点の範囲 |
合格点 |
得点の範囲 |
基準点 |
得点の範囲 |
基準点 |
得点の範囲 |
基準点 |
N1 |
0~180点 |
100点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
N2 |
0~180点 |
90点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
N3 |
0~180点 |
95点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
0~60点 |
19点 |
レベル |
総合得点 |
得点区分別得点 |
言語知識 (文字・語彙・文法)・読解 |
聴解 |
得点の範囲 |
合格点 |
得点の範囲 |
基準点 |
得点の範囲 |
基準点 |
N4 |
0~180点 |
90点 |
0~120点 |
38点 |
0~60点 |
19点 |
N5 |
0~180点 |
80点 |
0~120点 |
38点 |
0~60点 |
19点 |
※上記の基準は2010年第1回(7月)(N4・N5は2010年第2回(12月))試験から適用された基準です。
どうして、合格するために、①総合得点が合格点以上で、②すべての得点区分の得点が基準点以上であることが必要なのですか。
「言語知識」「読解」「聴解」のどの要素の能力もそれぞれ一定程度備えているかどうか、評価するためです。
受験しない試験科目があったら、どうなりますか。
受験すべき試験科目のうち、1つでも受験しない試験科目があると、不合格になります。合否結果通知書または日本語能力試験 認定結果及び成績に関する証明書は届きますが、受験した試験科目も含めてすべての試験科目の得点が出ません。
ある得点区分が基準点に届かなくて不合格になったら、その次の試験で、その得点区分に対応している試験科目だけを受験して、基準点以上の点をとれば合格になりますか。
いいえ。合格・不合格の判定は、1回の試験ごとに、すべての試験科目を受験した人を対象に行います。ですから、基準点を上回らなかった得点区分に対応している試験科目だけを次の試験で受験しても、合格・不合格の判定ができません。次の試験ですべての試験科目を受験して、①総合得点が合格点以上で、②すべての得点区分の得点が基準点以上なら合格です。
6.試験の結果について(合否結果通知書と日本語能力試験 認定結果及び成績に関する証明書と日本語能力認定書)
試験の結果はいつ、どのようにもらえますか。
合格者には日本語能力認定書を送ります。また、日本国内での受験者全員に合否結果通知書を送ります。
海外での受験者には2014年から合否結果通知書のかわりに日本語能力試験 認定結果及び成績に関する証明書を全員に送ります。日本国内の場合、第1回試験(7月)の結果は9月上旬、第2回試験(12月)の結果は2月上旬に送る予定です。海外の場合は、受験地の実施機関を通じて送りますので、第1回試験(7月)の結果は10月上旬、第2回試験(12月)の結果は3月上旬に受験者に届く予定です。その月が終わるころになっても届かない場合は、受験地の実施機関に問い合わせてください。
電話やメールで試験の結果を教えてもらえますか。
できません。
合否結果通知書や日本語能力試験 認定結果及び成績に関する証明書、日本語能力認定書に誤りがあります。
合否結果通知書や日本語能力試験 認定結果及び成績に関する証明書、日本語能力認定書について、名前や生年月日に誤りがあった場合の再発行の手続きは、受験地によって異なります。日本国内で受験した人は「日本語能力試験受付センター」に、海外で受験した人は、受験地の実施機関に問い合わせてください。
- ■日本
-
- 日本語能力試験受付センター
- 受付時間 月〜金曜日 9:30〜17:30
- 電話
03-6686-2974 FAX 03-6845-2544
- ■海外
- 成績書類の氏名、生年月日等に誤がある場合、試験実施の日から1年以内であれば訂正して再発行します。(ただし、試験実施の日より後に行った改名等による訂正は、受付られません。また、実施機関により条件が異なりますので、受験した都市の実施機関にご確認ください。)その際、以下の書類を提示の上、試験実施機関に請求してください。
① 受験票控、もしくは受験願書B
② 写真入りの身証明書分(受験申し込みで使ったもの)
③「認定書及び成績に関する証明書」、「日本語能力試験認定書」の原本
日本語能力試験の認定に有効期限はありますか。
日本語能力試験の認定に有効期限はありません。また、2009年までの試験(旧試験)の結果(認定)も無効にはなりません。ただし、試験の結果を参考にする会社や学校が有効期限を決めている場合があるようです。必要に応じて会社や学校に個別に確認してください。
合否結果通知書や日本語能力試験 認定結果及び成績に関する証明書、日本語能力認定書をなくしてしまったのですが。
もう1度発行することはできませんが、その代わりに参考情報の載っていない「日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書」(成績証明書複製版)を発行することはできます。申請方法はこちらを見てください。
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日本語能力試験の結果は、日本の大学で入学試験の参考資料として使われますか。
日本語能力試験の結果を参考にしている大学もあります。くわしくは志望校に直接問い合わせてください。
「日本語能力認定書兼合否結果通知書」、「日本語能力認定書」、「認定結果及び成績に関する証明書」が偽造・変造ではないことをどのように確認すればよいですか。
「日本語能力認定書兼合否結果通知書」、「日本語能力認定書」、「認定結果及び成績に関する証明書」の真偽確認依頼の手続きは、受験地によって異なります。日本国内で受験した人は、「日本国際教育支援協会日本語試験センター」に、海外で受験した人は、「国際交流基金日本語試験センター」に問い合わせてください。
- ■日本
-
- 日本国際教育支援協会日本語試験センター
- 受付時間 月〜金曜日 9:30〜17:30 (祝日・年末年始を除く)
- 電話
03-5454-5215 FAX 03-5454-5235
- ■海外
-
- 国際交流基金日本語試験センター
- メール jlptinfo@jpf.go.jp
- (メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。
- ※日本語か英語で書いてください。
いいえ。これは、合格した人が「…ことができると思うか」という質問に対して答えた結果なので、合格者全員が必ずしも実際にできるというものではありません。しかし、調査には約65,000人という多くの方の協力をいただきましたので、個人による極端な差は排除され、全体としての傾向を示していると考えられます。